バンド

【mol-74】唯一無二なんて嘘っぽいですが、このバンドに代わるものはいないと思います。

まるで夜に浮かぶしゃぼん玉のような。いつもより小さめの音量で、小さなワンルームで1人で無意識的に聴いていたい音がある。

今回の記事では、バンドの世界観にひっそりと収まっていたいような繊細である日消えてしまいそうなバンド「mol-74」を紹介します。

聴いた場所がそのままmol-74が見せる脆く儚い空間になる


曲名:ノーベル|mol-74

彼らの曲は、音で景色をみせてくれる。どこにいようが聴いた場所がmol-74がつくる世界に変わるのだ。

そして、mol-74は曲の終わりがいつも突然にくる。いきなり予告もなく、音がふっと消えることが多い。この音が消えたあと、布団と自分が擦れる音とか、時計の秒針の音とか日常生活の中にある音がいつもより目立って聴こえるのだから不思議なものだ。

高尚でミステリアスな感覚を残すmol-74には、突然消えてしまいそうな儚さがある。まるで生きているかのようだ。「ずっと」なんてこの世界にはないけど、彼らの音楽の世界にも「ずっと」はないということをちゃんと音で語る。そんな脆さや儚さが彼らの音楽が評価される理由ではないだろうか。

「mol-74になりたい」なんて、それは無駄な願いだ

曲名:エイプリル|mol-74

この代表曲である「エイプリル」は4分と49秒間の失恋歌なのに聴いても悲しくならない。

ところどころ聴こえるピアノの低音のせいなのか、はたまた繊細なドラムのせいなのか。悲しいはずのこの曲が美しく見えてしまうのは、悲しむよりもこの音を隅まで逃さず聴くのにただ精一杯になってしまうからかもしれない。

音楽なんて作る人も受け取る側もバンドによって違うからそれだけで、全ての音楽は唯一無二といえる。だけどそれでも最近どこかで聴いたことがある音を鳴らすバンドが近年多いことは、誰もがなんとなく気づいている隠しようのない事実だ。

ただmol-74は、リスナーも、誰も絶対にmol-74にはなれないことをとちゃんと音で証明しているバンドだと思う。この不思議な脆さも、消えてしまいそうなのに揺るがない存在感も、絶対に代わりが効かないだろうと断言できる。

だって聴いたあとに悲しくならない失恋ソングなんてそう簡単に作れるわけがないから。

彼らにしかない世界観を音楽にできるバンド『mol-74』をどうか聴いてほしい

 

いい意味で、mol-74は音楽で何を伝えたいのかいつもわからない。わからないから、その意味を探したくて、それとこの世界観に時々どっぷり浸りたくて、mol-74を今も聴いているのだと思う。

あなたの友達も、家族も、好きな人も、音楽にはあなたが思っているよりも興味はないかもしれないけど、ならせめてこの記事を読んでくれたあなたには1度、mol-74の世界観に触れてみてほしい。

読んでいただきありがとうございました。

 

「mol-74」ってどうして「モルカルマイナス74」と読むの?と疑問がある方へ

 

 

ABOUT ME
あき
インディーズバンドなどコアな音楽を紹介する記事や音楽界隈に関するコラム記事、またインタビューやライブレポートなど執筆。 好きなバンドはたくさんありますが、サイトを始めるきっかけの音楽はHalf time Oldとヨルシカです。

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